クリヤーからみがきを考える

磨き

みがきの研磨力は組み合わせ次第

3年ほど前にみがきに使うポリッシャーにつてい少し書きましたがとても浅い内容で何かもう少し書きたくなったので記事にします。

当時の記事はこちら。

みがきに対する考え方は以前とだいたい同じで大きく変わった部分とかはないです。みがきに使用しているポリッシャーも変わらずでリョービのシングルとダブルを使っています。当時の記事には主にポリッシャーの種類だけで、バフ、コンパウンド、クリヤーを含めた合計4つの組み合わせについて触れていなかったので今回はそのあたりから掘り進めて行こうと思います。

以前の記事に書いたようにポリッシャーの種類によって研磨力が違うのと同じように、バフやコンパウンドの種類でも研磨力が変わります。この3つの組み合わせに使用したクリヤーの硬度により削れ具合が変わります。なのでクリヤーの硬度を踏まえて研磨力を決定するべきだと思っています。

うちでやってる磨きの手順を大まかに説明していきます。基本的には肌調整ではなくてブツ取り後の目消しがメインの仕事です。肌調整のみがきはあまりしません。これについてはできる限り塗りで合わせていくのがいいと思います。

第一段階 シングルポリッシャーにウールバフの組み合わせ

写真右の当て布がウールバフです。3Mのウルトラフィーナ。毛足は標準的でスポンジが薄いのが特徴。その丁度いい薄さがお気に入りの部分です。塗装面に対してダイレクトな「あたり」で面圧をコントロールしやすいんです。

ウールバフのスペックについては毛足が長いとソフトなあたりで仕上げ向き。研磨力は低くなります。あとウール下のスポンジは厚めだと面圧がボケる。よく言えば分散する。薄めだとダイレクトで操作性が良い。その反面、面圧コントロールができてないと局所的に圧を加えやすく熱の加えすぎ(焼け)や塗膜剥がれなどのトラブルが起きやすくなるとも言えます。

好みとしてはよく削れる方向へ性能を振った組み合わせです。シングルのウールバフに細目のコンパウンドを使って1回あてるとたいていの目は消えます。念のためにもう1回あてて第一段階を終わります。

一般的にコンパウンドの荒さは細目、極細目、超微粒子と言った感じで細かくなっていきます。とは言っても各社、コンパウンドによっても呼び方、研磨力に差がありますのであくまでもおおよその参考材料と言ったところです。

もっと言えばポリッシャーの回転速度によっても研磨力は変わります。速度が遅いと安全にみがけますが、切れが悪くなります。逆に早いとリスキーになるが、研磨力はあがります。

ちなみにこのリョービのポリッシャーは磨きながら速度を変更できるとのコンセプトでダイヤルがグリップした小指あたりに設けられていますが、逆に意図せずダイヤルが回ってしまって、うっとおしかったのでテープを張り付けて固定で使用しています。トリガーの握り込み具合で調整する方が自分は使いやすいですね。これに関しては下のダブルアクションポリッシャーも同じ。ただ1つのコードをワンタッチで付け替えできるのは最高に使いやすいです。

第二段階 ダブルアクションポリッシャーにスポンジバフ 黄色の組み合わせ

ダブルアクションは主にギラツキを消す目的で使っています。あとは目消し部のぼかし?なだらかに?語彙が不足して上手く書けない。。

組み合わせるバフはスポンジ。ウールは叩き傷が嫌なので使いません。(とても深いリング状の傷)このダブルアクションは良くも悪くもトルクが強いのでとてもキツイのをもらうことになります。組み合わせるコンパウンドによって回避はできるかもしれませんが、自分は細目のコンパウンド(荒い)を使いたいのでダブルでウールは使いません。

叩き傷が入ると言ってもダブルアクションポリッシャーは研磨力が弱いです。クリヤーが切れない(削れない)と意味がないので黄色のスポンジに細目のコンパウンドを合わせて使用しています。

一般的にスポンジバフは荒い方(研磨力が高い)から黄色、グレー、白と細かくなります。

普通は2番研ぎでは1番研ぎよりも1段細かいコンパウンドを使いますが、その場合はポリッシャーはシングルのままがほとんどかと思います。コンパウンドで研磨力を調整しているんですね。

うちはコンパウンドはそのままでポリッシャーの種類とバフの種類で研磨力を落としています。どれが正解とかはないと思いますが、この方が早い段階で確実にギラツキを抑えることができるからです。

基本的に1回あてればギラツキも気にならないですし、光沢感も十分納車できるレベルに達します。淡色車ではそもそも違いが分からないのでやりませんが、濃色車の新しい車だったり、高級車だったり、少し気になる時は追加で極細目のコンパウンドで走ります。

第三段階 ダブルアクションポリッシャーにスポンジバフ グレーの組み合わせ

最後はおまけ程度に考えていて簡易コーティングをしています。ここではコンパウンドは使わずコーティング剤を塗り込んで完了しています。

この工程はシングルを使った方が手っ取り早く光沢が得られますが、ギラツキの原因になる傷が入りそうな気がするのでダブルで行っています。コーティング剤なので傷が入ったとしてもその場で埋まってしまうのでわからないのですが、気持ち的になんとなくダブルでやってます。シングルと違って拭き取りなしで光沢は難しいので最後は濡れタオルで仕上げています。

まとめ クリヤー補足あり

研磨力
ポリッシャー
シングル
ポリッシャー
ギヤ
ポリッシャー
ダブル
ポリッシャー
回転速度 高
ポリッシャー
回転速度 低
ウールバフ
スポンジバフ
ウール毛足 短
ウール毛足 長
スポンジ 黄
スポンジ 灰
スポンジ 白
コンパウンド
細目
コンパウンド
極細目
コンパウンド
超微粒子

コンパウンドはほぼ細目のみでやっているので、よく削れる→荒い→光沢くもりがちなどの印象を受けるかもしれませんが、コンパウンド以外で研磨力を落としているので大丈夫です。

それともう一つ、使っているクリヤー自体の品質や硬度も重要になってきます。もしも作業性重視の柔らかいクリヤーに上記の方法でみがきをかけた場合、肌は壊れるし、くもりがちな塗装面になると思います。

うちで使用しているクリヤーは量産ベースのもので一番硬度の高いものを使用しています。超微粒子のコンパウンドではほとんど削れない代物です。クリヤーに求める一番の性能は硬さ。そこは塗装屋さんにより全く違う答えになると思います。透明度・光沢、作業性重視(やわらかい)、肌の整えやすさ、肉もちの良さ、クリヤー自体の価格(材料費)など色々あります。少数派かと思いますが硬さは大切なこだわりです。

別のクリヤーに変えたら上記の工程による組み合わせは考え直さないといけません。クリヤーに合わせた肌を潰さないで適切な光沢を得る研磨力の調整が必要です。つまりはクリヤーからみがきを考えて組み立てるべき。持論です。

とりあえず今日はここまでとします。また書きたくなったら深掘りするかもしれません。長々とありがとうございました。

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