塗料の調色販売に関するご案内

塗装

塗料(調色販売)のご依頼について

平素より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
お客様より「塗料の調色のみの販売」のご依頼をいただく機会がございますが、誠に恐縮ながら、当社では塗料単体での調色販売はお受けしておりません。

お断りの理由について、できる限りわかりやすくご説明させていただきます。


自動車塗装の基本構造について

自動車の塗装は、ただ色を塗るだけではなく、いくつかの塗膜層(塗装の層)が重なってできています。一般的には、以下のような構成です:

  • 1層目:下地(サフェーサー)
     金属面と塗装の密着を高め、平滑な表面をつくる役割があります。
  • 2層目以降:カラー層とクリヤー層
     車の色味や光沢を出すために、色や特殊な効果を持った層と透明の保護層が重なります。

代表的な構成パターンは次のとおりです:

塗装種類塗膜構成(層数)
単色(商用車など)カラー層のみ(1層)
単色(乗用車)カラー層 + クリヤー層(2層)
メタリック塗装メタリックベース + クリヤー層(2層)
パール塗装(白など)白ベース + パール層 + クリヤー層(3層)
特殊カラー(カラークリヤーなど)第1カラーベース+第2カラーベース+クリヤー層(3層)

なぜ調色塗料だけでは再現が難しいのか?

メタリックやパール塗装、さらには特殊な深みのあるカラー(いわゆる匠塗り)では、塗料の調合だけで色味を完全に再現することが非常に難しいという課題があります。

これは以下のような塗装環境の違いが、最終的な色味に大きな影響を与えるためです:

  • スプレーガンの種類と調整(エア圧、吐出量など)
  • 吹き付け距離・角度・スピード
  • 気温・湿度・パネル温度
  • 塗装回数や乾燥時間
  • 使用する溶剤の揮発速度

たとえば、同じ塗料を使っても、「ウェットコート(しっとり仕上げ)」と「ドライコート(さらっとした仕上げ)」では、明るさ・メタリック感・色の深みが変わってしまいます。

特に3層の特殊塗装では、塗る人の技術や環境によって色味が大きく変化してしまうため、「塗料だけお渡ししても、お客様のご希望の色味が再現されない」可能性が高くなってしまいます。


当社のこだわりと対応方針

当社では、お車の色を忠実に再現するために、現車確認を含めた塗装環境の最適化を行い、すべての工程において品質管理を徹底しております。

そのため、調色塗料の単体販売は行わず、塗装作業まで一貫して当社にて対応させていただく方針としております。

お客様からのご要望があることは重々承知しておりますが、
品質保持と仕上がり保証の観点から、調色販売は対応しておりませんこと、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。


ご相談・お見積りについて

塗装に関するご相談やお見積りは随時承っております。
ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。

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